【終了】12年ぶりに桐の葉が箱根を走る!

第95回東京箱根間往復大学駅伝競走は2019年1月2、3日に行われます。筑波大学は1994年に記念大会で招待された第70回大会(20位)を最後に、箱根出場から遠ざかっています。2004年に日本学生連合チームに選ばれた鐘ケ江幸治選手が5区で区間賞を獲得し、大先輩の名を冠した「金栗四三賞」に輝いたことは、今も皆さんの記憶にあるでしょう。

 

その後に「桐の葉」を付けたランナーが箱根路を走ったのは、2007年の関東学連選抜4区の大城将範選手が最後でしたが、来年初春に関東学生連合チームに選ばれた2年生の相馬崇史選手が12年ぶりに箱根を走ることになりました。

 

相馬選手は昨年も選抜されて5区を走ることになっていましたが、直前の調整で故障したため無念の辞退。その思いも胸に、いま最後の仕上げに全精力を注いでいます。走る区間は直前まで公表されませんが、小柄で細身の軽快なフォーム、上り坂にも強いタイプなので今回も5区の山登りが有力です。

昨年10月13日、立川市で開催された予選会では、筑波大は10時間55分23秒で17位に終わり、11位までが得られる本大会への出場権を獲得できませんでした。今年の予選会は3位までを占めたのが駒大、順大、神奈川大など本大会で優勝争いの常連校。距離も従来の20kmからハーフマラソンの21.0975kmに伸び、例年にない厳しい争いになりました。

 

11位で出場権を獲得した上武大との差は8分32秒(10人の合計タイム)で、1人当たりでは約51秒短縮しなければならない。弘山勉駅伝監督は「たくさんのご支援をいただきながら、申し訳ない気持ちで一杯です。トレーニングでは目を見張る成長を遂げていますが、成績に結びつかないのはまだまだ実力が足りない証拠」と総括しています。

しかし、チーム成績の上位は2、3年生が占めており、特に上位4人の成績からみて来年以降の予選会突破に光明が差してきたと分析しています。「昨年は練習内容に反省すべきところが多々ありながらも記録を伸ばすことができました。的確な練習メニューを処方するだけでも、1人20~30秒の短縮が可能だと思っています」と述べています。

現2年生は、5000m14分台が11人になるなど層の厚さが増しています。チーム内の競争も激しさが増すことが予想される。弘山監督に言わせれば、”努力比べの活性化”です。「その流れの中で学生の意欲が向上し、意識改革がさらに進めば、1人50秒の短縮は難しいことではない」と来季の見通しを話しています。

 

久々に「桐の葉」が箱根を走るというニュースは、茗渓会関係者にも大きなインパクトを与えました。特にお膝元の神奈川茗渓会は積極的で、筑波大学、茗渓会本部と協議して2日の応援の役割分担を決めました。

 

それによると、①大学側がスタートとゴールを担当してゴールへはバスで移動②相馬選手がタスキを受ける中継点で神奈川茗渓会が「桐の葉の幟」を掲げて応援する-ことになりました。中継点では、筑波大陸上部OB・OGが加わって相馬選手への応援を盛り上げる予定です。

 

今月中旬に開かれた茗渓会関係の会合では、相馬選手が選出されて箱根を走ることが披露され、弘山監督を中心にした筑波大復活プロジェクトが成果を挙げつつあることが報告されています。その際には、「マネーゲーム」になっている昨今の箱根駅伝を目指す各校の争いも紹介され、数千万円が投入されているライバル校に対し、筑波大が苦戦を強いられている現状も伝わっています。予選会突破には、より大きく継続的な支援が必要であることも理解していただきました。

 

陸上競技全般を愛好する人からすれば、「箱根、箱根と騒ぎなさんな」という思いかもしれません。私もかつてはそういう気分がありましたが、今では圧倒的な箱根の発信力を生かさない手はないと考えるようになりました。

 

トラック&フィールドもウサイン・ボルトや日本勢初の9秒台をマークした桐生祥秀クラスならともかく、残念ながら知名度、認知度は悲しいほど低い。4連覇を果たした青山学院大と原監督の存在感は絶大ですが、日本インカレで男子の日大が6連覇を果たし、女子の筑波大が4年ぶり25回目の優勝を遂げたことは一般の人はまず知りません。

 

しかし、連合チームのメンバーで現役生が走るとなると、日頃はスポーツに縁のない茗渓会の方々にもこれほどの関心を持ってもらえるのです。茗渓会関係者と話した際、この箱根への関心をテコに茗渓会のネットワークを広げ、支援態勢も強化しようということで一致しました。

 

2年生の相馬選手が上級生になる来季は他の下級生もさらに力を伸ばし、1人あたり30秒、40秒の短縮は決して夢ではない。たとえ予選突破ラインに届かなかったとしても、本戦出場切符へ肉薄することは間違いないと考えています。

 

本番の箱根駅伝を走るのは各校総勢200人余り。あれだけの国民的イベントに出たいと思うのは、長距離ランナーなら当然のことでしょう。しかし、強豪校の青山学院大や東洋大、駒大の代表で走るのは至難のことです。

 

それならば、予選会から勝ち上がって出場するチームなら自分にもチャンスがあるのでは?そう考える高校生が多くなるのは自然なことです。予選突破へあとひと息のところまで来れば、筑波へ目を向けるランナーは急増するでしょう。

 

ある程度の進学校の長距離選手は、試験を突破して筑波で箱根を走ろうという目標ができます。相馬選手は長距離の名門、佐久長聖高出身。3年生の池田親選手も西脇工高から筑波の門をたたいたのです。今後はこのような長距離・駅伝強豪校のランナーが「箱根で走りたければ筑波大」となる可能性も出てくるのではないか。その第一歩が今回の相馬選手の出走です。

 

1987年にテレビ放映が始まってから30年余り。数時間の長時間放映にもかかわらず、視聴率30%に迫る「お化け番組」です。中継所やゴールの芦ノ湖は尋常ではない人出で埋まりますから、自宅やふるさとでのテレビ観戦で応援するのが一番でしょう。

 

その際には、頑張る選手やスタッフたちへエールを送っていただく一方、お年玉として来季に向けた支援金を送っていただけませんか?以下が支援金の振込口座です。どうぞよろしくお願いします。

振り込みの際はお問合せフォームよりお名前をお知らせいただくと助かります。

 

支援先口座のご案内

箱根支援口座

銀行口座 ゆうちょ銀行 018(ゼロイチハチ)支店

口座番号 普通預金 9549422

口座名 ツクバダイガクハコネエキデンシエンノカイ

(ゆうちょ同士 10130ー95494221)

 

OB・OG会口座

銀行口座 ゆうちょ銀行 018(ゼロイチハチ)支店

口座番号 普通預金 1411402

口座名 ツクバダイガクリクジョウキョウギブオービーオージーカイ

 

予選会の様子

予選会での筑波勢成績分析

今回の予選会では1時間4分台で走った上位4人は2年生2人と3年生2人。それぞれに反省点はあるものの、15kmからの5kmをいずれも15分台でまとめています。問題は7~10番手4人のレース展開。いずれも16分台とペースを落とし、1時間6分台にとどまっています。

救いは3人が2年生で残り1人も3年生なので、来年以降へ希望が持てることです。総合成績には加算されていませんが、11位、12位の2人も3年生と1年生。チーム全体の底上げができれば、一気に予選突破校レベルに到達する可能性があります。

同じ駅伝メンバーでも、スピード型、スタミナ型、万能型とタイプ、持ち味が違い、レベル差もありました。弘山監督一人で手いっぱいだった指導も、スタッフ2人が加わって、レベルに応じたきめ細かいトレーニングが可能になりつつあります。キッチンが新装され、食事面のサポートも向上しており、来季の躍進が楽しみになってきました。

 

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関連サイト

箱根駅伝公式サイト

筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトページ