46年間の大学教員生活を終えて

伊藤宏(1971年卒業)

今年の3月いっぱいで第二の就職先、静岡市の常葉大学教育学部生涯スポーツ学科を5年間満期で定年を迎えました。静岡大学教育学部の41年間を含め、計46年間の教員生活に終止符を打つことができました。

4月からは常葉大学で毎週金曜日1コマの陸上競技実技を、6月には新潟福祉医療大学で7回の臨時講義をし、8月からは全くのフリーになりました。

ところが、共同研究していた「先天全盲サッカー・ゴールボール選手の効果的なイメージ練習」に研究費が付いたため、7月にアイルランドのダブリンで開催されたヨーロッパ大学スポーツ科学学会で研究成果を発表してきました。この研究の結論は「全盲者は、どんな運動をするにも自分なりのイメージ(映像)を描いて運動していることが分かり、さらにそのイメージに即した動作法(補助支持動作)を用いると、想定以上に正確に運動を処理していることが判明した」というもの。共同研究者がポスター発表し、質疑応答に私が答える役目でした。50歳から細々と英会話をやってきてよかったと思った瞬間でした。

7月末には東京ビックサイトで開かれた日本スポーツパフォーマンス学会で、同じ研究をポスター発表したところ、学会から最優秀研究として表彰されました。8月初旬には静岡県湖西市の中学校体育指導者研修会で、「効果的なスポーツ指導」について2時間の講義。中旬には仲良し夫婦で山梨・長野県へ“ゴルフ研修”に出掛けるなど充実した夏でした。
しかし、好事魔多し。8月中旬のある夕方、家の中で突然めまいを起こし、座っていることができなくなりました。妻に助けを求める連絡をして救急センターに担ぎ込まれ、2時間半の点滴でなんとか回復。中高年に時々起こる内耳の異常でしたが、8月いっぱい自宅で静養して元気を取り戻しました。

9月の中旬には日体大で日本教科教育学会があり、共同研究者に外せない用件ができたため、急きょ20分間の口頭発表を行う羽目になりましたが、これもなんとか無事に終えることができました。学会では日体大の玄関先で2年後輩の阿江通良先生とばったり出会いました。少し立ち話をしただけでしたが、新天地で活躍する後輩は頼もしい限りでした。

同会場で後輩の筑波大学の宮崎明世先生と出会いました。宮崎先生から「先輩、この川の向こうで日本インカレをやっています。後輩たちが元気で戦っていますから」と伝えられ、そのままタクシーで等々力競技場に駆け付けました。競技場では大先輩の鴨下礼二郎さん、和中信男さんを初め、大森哲夫さん、岡野進さん、宮下憲さん、品田吉博君そして船原勝英君ら懐かしいメンバーと再会することができました。

9月に入ると、私が住んでいる富士宮市の生涯スポーツ振興課から委託されていた平成30年度富士宮市スポーツリーダー養成・研修講座がスタート。講師依頼を任されていたので、われら保谷会から豊岡示朗先生(大阪体育大学)船原勝英君(共同通信社)に声掛け。初回は私が口火を切って「健康寿命をもう少し伸ばそう」とのテーマで講演。翌週からは豊岡先輩の「筋力とスタミナをキープ&アップで脂肪燃焼」、船原君の「世界のスポーツはいま」と続き、4週目は筑波大学の後輩で現びわこ成蹊スポーツ大学・豊田則成先生の「スポーツ心理学が考える上手な指導方法」。筑波のネットワークをフル活用し、次々に先輩・後輩に登場してもらいました。

講義内容はいずれも今日的なテーマで、広範囲にわたりながらも深く掘り下げられており、受講者にも好評を博しました。船原君の講演には私の同級生、安田好文君(元豊橋技術科学大教授)が駆け付けて受講してくれ、翌日は朝霧ジャンボリーでゴルフを楽しみました。

その前週の豊岡先輩とも小雨の中でゴルフ対決をしました。104対122の低いレベルながら、1ホールごとに熱戦を繰り広げました。誰がどちらのスコアかは推測してください。安田、船原両君とのラウンドでは、安田君が後半39の好スコアをマーク。終盤には私がパー3でバーディーと見せ場を作ったことを付記します。