短距離の山下と円盤投の辻川に最優秀選手賞

コロナウイルス禍で年度表彰式を屋外挙行

OB・OG会会長 宮下 憲(1970年卒)

 

2019年度大学陸上競技部の表彰式が3月20日、大学陸上競技グラウンドで開催された。やや風の強い晴天。新型コロナウイルス感染拡大を避けるため、受賞者と指導者に出席者を絞り、初めて屋外で挙行された。

 

尾縣貢部長は聖火の日本到着日と重なったため不在で、谷川聡監督が最初に挨拶に立った。受賞者を祝福した後、このような非常事態の中で表彰式ができることを喜ぶと共に、この危機的状況の中でどのように判断し行動するかが問われている、この危機を乗り越えようと呼び掛けた。

挨拶する谷川監督

続いて小生から、今年度のOB・OG会賞は1年生で関東インカレ優勝、日本インカレ2位、日本選手権3位、アジア選手権2位となった高良彩花さん(園田学園高)に贈ることを伝えた。さらに、3年生以下の受賞者へはオリンピックの舞台を諦めず目指してほしい、卒業・修了する受賞者には部活でひと回り大きくなった人間力を発揮して社会の期待に応えてほしいと激励。卒業・終了者へはOB・OG会入会後、全員がサポートに参画してほしいと期待を述べた。最後に新型コロナウイルスの予防に万全を講じ、この危機を乗り越えてほしいと伝えた。

挨拶する宮下会長

 

その後各賞の表彰に移り、大山圭悟副部長が各賞を授与。最優秀選手賞の山下潤君(4年、福島高、200mで関東・日本インカレ優勝、日本選手権5位、筑波大学記録更新など)は五輪強化合宿のため欠席したが、円盤投の辻川美乃利さん(M2、生野高、日本学生個人優勝、日本インカレ2位、日本選手権優勝など)に表彰状と記念品が贈られた。高良さんへは小生が表彰状と記念品を授与。その他の受賞者は、名前が披露されると一歩前に出るだけで、賞状、賞品の手渡しなしでの授与式となった。

最優秀選手賞を受ける辻川美乃利さん

高良彩花さんへOB・OG会賞を授与

 

最後に、受賞者を代表して最優秀選手賞の辻川さんが挨拶。このような状況の中で表彰式が開催されたことに感謝している。インターハイ6位で入学してきた者が6年間で2度日本選手権を獲得できたのは、筑波大学の人的環境が最高であったためだと確認できたと謝辞を述べた。

受賞者代表で挨拶する辻川さん

 

各賞の授与方式を簡素化したため式は約40分で終了。出席者のみでの記念写真となった。受賞者は多くの仲間の立ち合いの中で晴れて各賞を受けたかったに違いないが、この異常事態の中での式を記憶に残る特別なものとして受け止めてくれることを願っている

 

今回の受賞者のなかで特記したいのは、筑波大学開学当初から多くの競技部学生を下宿させ、中長距離や投擲ブロック用に寮を建設するなど長く部員を支えていただいた中島翌氏に特別功労賞が贈られたこと。また26年ぶりに箱根駅伝本戦出場を果たした駅伝主将の大土手嵩君(3年、小林高)と主務の上迫彬岳君(3年、鶴丸高)に特別賞が贈られたことは本年度を象徴する出来事だ。

 

歴代主将には部の運営に顕著な功績があったとして功労賞が授与されてきたが、主将の山下潤君は部の目標である男女アベック優勝を達成することができなかったとして受賞を辞退。責任の取り方や受賞者評価に一石を投じた格好となった。

 

これまでは大学の卒業式の前に競技部の表彰式があり、その夕刻に送別会があって苦楽を共にした4年生との別れがあり代替わりしてきた。今年はその全ての行事が中止される一方で、簡素化されたとはいえ表彰式を挙行できたことを喜びたい。

 

指導スタッフによると、新学期の開始はゴールデンウィーク後になるとのこと。感染拡大の影響の大きさを改めて痛感した。オリンピック開催も不透明になりつつあるなか、学生たちに与える影響の大きさを想像し、一日も早い収束と治療薬の開発が進むことを願いながら帰路に就いた。

(大きな画像はこちら→ 受賞者一覧2019PWが必要です。)

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