直腸がん~ステージⅢb~ 闘病で学んだこと・思い
2020年8月25日(岡田一彦)
2019年12月3日、私の72歳の誕生日に直腸がんの摘出手術を受けました。2020年1月15日から抗がん剤治療(“XELOX療法”)が始まり、7月14日に26週間に亘った抗がん剤治療を終えました。そして、7月10日、大腸のCT検査を受け、現時点で“異常なし”の嬉しい言葉を主治医の大島祐二先生から頂けました。
これまで、自分ががんになるとは、露ほど思ってもいませんでした。がんの診断を受け、今度こそ駄目かとも思いましが、適切な医療処置を受け、無事手術を終え、現在を迎えることができました。【※(注1)命にかかわる傷害・疾病は今回で3回目になります。】
この経験を振り返り、学んだことや様々な思いを伝達することが、命を救ってくれた多くの方々に対する恩返しにもなるかと思います。
(注1)①1965年9月12日(日)17歳、高校3年
新潟-東京間駅伝競走大会県予選会10㎞レース中、先頭で約9.5㎞地点、大網街道の道路を右折して陸上競技場入口に入ろうとした時に、バイクに撥ねられました。
道路にたたきつけられ何が起きたのだろうと思うと同時に、瞬間的に立ち上がって走ろうとしましたが、立ち上がれず道路に再び転倒しました。右アキレス腱直ぐ上の脛骨筋断裂でした。運よく対向車がいなかったので命拾いしました。
(注1)② 1993年5月7日(金)45歳、県立泉高校勤務
放課後、運動部顧問会議の司会をしているときに、視界がおかしくなり、耳も聞こえなくなったので、自分自身、脳かも知れないと床にうずくまりました。
救急車で、市立千葉病院(現青葉病院)に搬送中、出血で頭の中がガーンとなり、吐き戻しました(2回ありました)。CT検査の結果、くも膜下出血が確認され、蘇我の川鉄病院(現千葉メディカルセンター)に再搬送されました。
スタッフが足りないとのことで、手術は翌8日、手術時間は8時間でした。
天井が見え、生きていると認識できました。その日は、5月11日でした。
“死にたくない、未だ生きたい”という生に対する執着心と体力
直腸がんが判明したときは、落ち込んでしまいました。「今度こそ駄目かな!」と思わずにいられませんでした。それでも、気を取り直して「死んでたまるか!未だやりたいことがある。絶対に克服してみせるぞ!」と、自分自身を強く励ましました。45歳のくも膜下出血の時も同じでした。
このような諦めない気持ちは、間違いなく治療効果があるそうです。弱気にならず、強い気持ちで疾病に立ち向かいましょう。
高い体力は、疾病克服の土台になると思います。今回の抗がん剤治療で、免疫力が著しく低下しました。それでも、手術が終わったその日から歩行ができたし、腸を元に戻すためのリハビリウォーキングを翌日から継続できたのも、今まで蓄積した体力があったからだと確信しています。
“チーム聖隷“に感謝
迅速な対応
がんの判明から入院・手術の手配まで、迅速に対応してくれました。検査技師と内科医との連携、内科医と外科医の連携が即座に行われ、最短時間で入院・手術をすることができました。
休日なしの献身的な看護
入院して改めて確認できたのが、病院は1秒たりとも休日がないということでした。入院中30名を越える看護師さん等に看護をして頂きました。一人として、嫌な顔をした人はいませんでした。患者の情報は、全員がしっかり共有できており、心配になるような状況も全くなく、安心して看護をゆだねることができました。
ひまわり薬局の薬剤師さんも、病状を聞いてくれました。
的確な医療処置と医療技術
手術の前に不可欠なインフォームドコンセントは、丁寧でわかりやすいものでした。手術の状況は、主治医の説明でわかりました。本当に摘出手術がなされたのかと疑うほど、術後の痛みもなく、術後直ぐに歩行することもできました。完璧な手術でした。
多くの人の支えが励みになりました
どんなに強い意志があっても、どんなに高い体力があっても、多くの人の支えなしに、重篤な病を克服することは不可能だと思います。くも膜下出血の時と同じように、今回も多くの人の励みが支えになりました。
岡田コーチ「絶対大丈夫」「待ってるよ!」…多くの会員さん達の一言
ランニングクラブ、ウォーキングクラブの多くの会員さん達から、このような言葉は大きな励みになりました。リハビリの時は、さらに大きな励みになります。再び皆さんと一緒に活動できるが1日でも早く来るように頑張ります。
妻の献身的介護、子供や孫の存在
最愛の妻?には、またまた大きな負担をかけさせてしまいました。入院中、1日も欠けることなく面会に来て、長い時間一緒に過ごしてくれました。頭が上がりません。
子供や孫たちの存在も大きな支えとなりました。「じじ―、お腹どうなってるの?」、孫なりに心配してくれているのが伝わってきました
“気になったら検査しましょう“~早期発見が命を救います~
排便がスムーズにいかなくなったことに気づいたのは、5月末頃でした。気にはなっていましたが、がんを想像することはありませんでした。便がスムーズに出ないということを冷静に判断すれば、腸が便の排出を邪魔していると推察できます。この時点で病院に行っていれば、ステージⅢbまで進むことはなかっただろうと悔やまれました。
60歳の定年までは、毎年人間ドックを受診していました。退職後の、住民健診も受けていたのですが、任意で行われる胃がん検診と大腸がん検診は受けていませんでした。さぼらずに、これらの検診をしっかり受けていれば、初期の段階で治療することができたと思います(殆ど心配のない、ステージⅠで処置できたと思います)。
“リハビリに取り組み始めました“~一歩一歩頑張ります~
抗がん剤治療が終わって、今日で42日目を迎えました。今月から、計画的なリハビリを開始しました。(詳細は「直腸がん抗がん剤治療後のリハビリ実施記録PDF」参照)
リハビリの目標
- 低下した免疫力の回復…免疫を司る白血球数と好中球の回復
これには、しっかりした栄養と休養が大事だと考えています。
・栄養を考慮した食事をしっかりとっています。
・休養…活動が終わった午後は、毎日休養に努めています。
- 低下した体力の回復…特に筋肉量の減少、筋力低下、最大酸素摂取量の減少
- 7月15日~7月31日…リハビリに向けた慣らし運動
20~45分のウォーキング…20,21,22,25,29,31日の6回
- 8月1日~8月25日
・筋力トレーニング(ダンロップスポーツの筋トレマシン15種類/週2~4日)
軽重量20~50回、中重量10回±α…毎回30~40分
・筋力トレーニング(自体重活用)…岩名運動公園、八千代アルプス
スクワット、ランジ、腕立て伏せなどを適宜実施
・有酸素運動(ダンロップスポーツクラブ:筋トレ後…トレッドミル)
ウォーク&ジョグで約20分:約2㎞
・有酸素運動(岩名運動公園、八千代アルプス…週1~3日:40~70分)
ウォーキングを中心に、ジョギング(8:00~7:00/㎞…2~3㎞を導入)
抗がん剤の副作用
ボーっとする感じと手のひら・足裏の感覚異常は、まだ若干残っていますが、日常生活 に支障をきたすことは全くありません。