一瞬、桐の葉を着た緊張感 マスターズ陸上へのいざない

山崎祐司(1980年卒)

  2019年12月上旬にマレーシアで行われたアジアマスターズ大会へ10年ぶりで参加しました。若い頃に励んでいたことを、歳を重ねて再び楽しめるのはとても幸せなこと。 今回、三段跳びマスターズ世界チャンピオンの原間裕さん(M65:1973年卒)と共に参加でき、とても心強かったです。世代を超えた茗溪の繋がりに感謝。箱根駅伝出場やTV「いだてん」もしかりです。

 

さて、私がなぜマスターズ陸上を続けているのか、その魅了を7つほど述べたいと思います。これを機に、マスターズ陸上に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

 

1.参加することに意義がある。

マスターズの大会はきわめて敷居が低い。全ての大会に標準記録がないのです。年齢区分をクリアしていれば誰でも出場OKです。

2.昔の自分に戻れる。

一瞬ですが、昔の自分に還れます。桐の葉のユニフォームを着た時のような緊張感。この年齢ではめったに出会えない感覚が蘇ります。

3.誰でもJAPANユニフォームが着られる。

実は、日本選手団として参加する海外の試合では、正式ユニフォームを着なければならないのです。国内の大会、個人で参加の国際大会は自由です。

 

ここまで、いかがでしょうか。マスターズ陸上にちょっぴり関心を持ってもらえたでしょうか? 更に私の経験をいくつか付け加えます。

 

4.目標を持って日常生活を送れる。

「今日はグランドで専門練習」「明日は水泳で全身トレーニング」「ダンスでリズム」「ヨガで柔軟性」「階段駆け上がり」等々。昔懐かしいトレーニング計画を頭に描きながら日々練習することができます。そして頭の体操にもなります。

5.日本中、世界中に知り合いができる。

競技中は写真撮影が盛んで、フィールド競技で試技を待つ間、あちこちで記念撮影が執り行われます。海外でときに「そのカメラ売ってくれ」といった商談が始まったりするのがおかしい。さまざまな国の人とコミュニケーションをとることは、競技以外の楽しみのひとつになっています。

6.高齢の先輩方とお話できる。

海外ではチームジャパンで参加するため、宿舎、行き帰りのバス、応援席等で、高齢の方と同席する機会が多い。70歳、80歳当たり前の世界なので、年下の私は気兼ねなく、始めた動機や10年後のために練習内容を聞いています。意外ですが、病気をきっかけに始めた人が多い。毎日テニスして棒高跳び世界記録作った人、朝の散歩コースにトレーニングが組み込まれている世界チャンピオン。仕事のビル清掃をトレーニングと考え、世界連覇した人。初めは小学生の陸上教室で週1で教わり、いまや80歳の短距離アジアチャンピオン等々。

7.ポジティブな思考ができる。

ともすると年齢とともに、寝たきりになったらどうしようとか、転倒したらどうしよう等のネガティブな発想をしがちです。しかし、マスターズ大会出場を目標にすると、積極的な思考で生活できます。

 

おわりに

マスターズの仲間に入ることにちゅうちょしている人は、おそらく現役時代のイメージが強すぎる人だと思います。最初から記録を狙ったり、無理やり節制したりするのはやめにし、まずは旅行と家族サービス5割、ご当地グルメとお酒3割、競技2割ぐらいのスタンスで、気軽に始めることをお勧めします。

 

2019アジアマスターズ大会結果

原間裕さん(M65)

  • 三段跳び 2位
  • 走り幅跳び4位
  • 4×100m R  1位
  • 4×400m R  1位

山崎祐司(M60)

  • 円盤投げ(1kg)44m17  3位

 

国内の県単位や地域単位の競技会は毎年100以上あり、登録してエントリーすれば、誰でも参加できる。競技会リストはマスターズ連盟のHPに載っています。

 

今後の主なマスターズ陸上大会

2020年

  • 7月世界マスターズ トロント大会(カナダ)
  • 全日本マスターズ 福井

2021年

  • アジアマスターズ ジャカルタ大会(インドネシア)
  • ワールドマスターズゲーム  京都

2022年

  • 世界イエテボリ大会(スウェーデン)

 

☆今回、アジア大会と銘打ってありますが、ヨーロッパやアメリカの参加者も数名いました。

このように、どこの地域、国の大会でも参加できます。