65歳で社会保険労務士事務所を開設することに

村田 保美(1976年卒:投てきブロック)

今年度実施された第51回社会保険労務士試験に合格し、12月1日付けで自宅に個人事務所を開設しました。

全国で3万8千人以上が受験し、合格者は2,525人、合格率は6.6%でした。

60歳代以上の合格者がわずか212人でしたので、よく合格できたなあと自分自身でも信じられないほどです。

57歳から受験勉強を始め、合格まで8年がかかりましが、途中投げ出さなかったのは、やはり保谷と幡ヶ谷で過ごした日々のおかげでしょうか。

 

社会保険労務士とは、労働・社会保険問題の専門家として、行政機関に提出する書類を作成すること、個別労働関係紛争の解決手続きの代理を行うこと、また企業の労務管理や社会保険、国民年金、厚生年金保険についての相談・指導を行うことを職業とする国家資格で、弁護士などと同様に、職業上請求権が認められている8士業の一つです。

 

実は、東日本大震災の前年に、ソニーをリストラで早期退職し三重県に帰ってきました。

当時は、民主党政権下の大不況で職が見つからず、やっとバイト程度の身分で雇ってもらえたのが日本年金機構でした。

そこで、若い社会保険労務士たちが生き生きと年金相談をしているのを見て、ああこういう仕事があるんだと思ったのがきっかけです。

 

始めは簡単に受かるとたかをくくっていたのですが、何度受験してもまったく歯が立ちません。

ようやく手ごたえを掴んだのが5年目で、それから朝は2時に起きてエアロバイクを漕ぎながらDVDを見て、自動車通勤の往復は好きなハイレゾ音楽の代りにCD講義を聞き、職場には2時間ほど早出をして問題を解き、昼食もそこそこに問題を解くという生活を続けました。

 

もちろん、社会保険労務士になったからといって、簡単に飯が食えるわけではなく、勤めている地方公務員災害補償基金三重県支部は、情けないほど薄給ですが、辞めるつもりはありません。

何年か先の退職後にこの資格が生かせること、そして定年のない仕事ができることを楽しみにして、さらに勉強を積んでいくつもりです。

開設した事務所前で愛犬と筆者