第98回関東インカレリポート

第98回関東インカレが5月23日から26日までの4日間、相模原ギオンスタジアムで開催され、女子総合で114点を挙げた筑波大が2年連続28回目の優勝を果たした。男子は54.5点で7位だった。

 

女子は投てき陣が圧倒的な強さを発揮した。初日の円盤投げでは1年生の小松真琴(土浦湖北)が48m25で2位、4年生の半田水晶(群馬・太田女)が6cm差で3位に入り、そろって表彰台に立った。第2日のハンマー投げでは4年生の関口清乃(埼玉・進修館)が6投目に59m86を投げて逆転の3連覇。渡邊ももこ(福井・敦賀)が58m57で3位、真鍋綾萌(岡山・玉野光南)が51m30で6位とルーキー2人も奮闘した。

女子円盤投げは2位の小松と3位の半田が表彰台へ

女子ハンマー投げは関口が3連覇、渡邊の3位で表彰台

 

やり投げは桑添友花が(3年:宮城・古川黎明)が6投目に56m72と記録を伸ばし、自己記録へあと14cmに迫る好記録で初優勝した。桑添の高校1年後輩、兵藤秋穂が52m77を投げてワンツーフィニッシュ。最終日の砲丸投げでは齋藤友里(4年:高知・追手前)が5投目に15m18の筑波大記録を投げて逆転優勝した。13m58を投げた小松真琴(1年:土浦湖北)が6位に入賞。投てき4種目で大量56点を稼いだ。

女子やり投げは桑添と兵藤がワンツーフィニッシュ

女子砲丸投げで筑波大記録を更新して優勝した齋藤

 

大物ルーキーの活躍も目立った。第1日の走り幅跳びは、昨年の日本選手権で連覇を果たし、インターハイ3連覇のルーキー高良彩花(兵庫・園田学園)が、5回目に6m26(+2.7m)を跳んで優勝した。3回目までは低調だったが、4回目からは立て直して6m20台を連発した。吉岡美玲(2年:石川・星稜)が5m94(+3.2m)で7位。第2日の100m障害は、昨年のインターハイチャンピオン、小林步未(市立船橋)は序盤で出遅れ、0秒01差の13秒25(+2.6m)で惜しくも2位にとどまった。

女子走り幅跳びで優勝したルーキー高良の表彰

 

連覇を狙った第3日の女子三段跳び剣持クリア(4年:山梨学院大学付)は精彩を欠き、12m79(+3.8m)で2位に終わった。優勝は中村紗華(2年順大)の12m96(+2.5m)。

第1日の10000mでは上田雪菜(4年:奈良育英)が先頭集団でレースを運んだが、6000m付近から遅れて33分50秒62の3位。上田は最終日の5000mでは16分18秒78で5位に入った。

女子三段跳びで連覇を逃して2位にとどまった女子主将剣持

 

最終日の七種競技では橋本春菜(3年:水戸第二高)が5245点、池田涼香(1年:京都・鳥羽)が5214点のそれぞれ自己最高で3、4位に入り、シュレスタまや(3年・東大阪大敬愛)5187点で5位に続いた。締めて15点。日体大との13.5点差は3人の頑張りがなければ生まれなかった。

 七種競技で4、5位に入った池田(左)とシュレスタ(右)の800M

七種競技で3位の橋本

 

男子は最終日に4年生が奮起。200mで主将の山下潤(福島高)が追い風参考ながら20秒47(+3.7m)の好タイムで2連覇を成し遂げた。山下は第2日の100mでも10秒32(+4.3m)で6位タイに入った。この種目では宮本大輔(2年・東洋大)が10秒02の好タイムで圧勝。400mHは高橋塁(宮城・柴田)が自己最高の50秒38で3位に入った。円盤投げは長谷川祥太(兵庫高)が47m58で2位、高橋史門(3年:江戸川学園取手高)が45m56で8位に入った。

男子200Mで連覇を飾った主将、山下潤のフィニッシュ

男子400Hに自己最高で3位に入った高橋

男子円盤投げで2位に入ってブロック長の長谷川

 

第2日の砲丸投げでは羽生田智(3年:埼玉・山村学園)が自己記録を55cm更新する16m61で2位。1年生の松田貫汰(大阪・咲くやこの花)も自己最高を20cm伸ばす15m82で6位に入った。

男子砲丸投げで自己新を投げて2位の羽生田の投てき

 

リレーでは男女で明暗が分かれた。女子は400mリレー予選(高良彩花1、壇上明日香2、小林歩未1、新木詩乃4)2組2着の45秒97。全体3位で進んだ決勝では5着(45秒97)だった。1600mリレー決勝(佐々木天4、壇上明日香2、高貝美穂3、中谷桐子2)は3分49秒51で8着だった。

400mリレーで5年ぶりに入賞を果たした筑波大チーム

 

男子は400mリレー予選(阿部龍斗1、山下潤4、岡田和士2、高橋優作2)2組で39秒89の6着、全体9位で落選。1600mリレー予選(松尾修平2、伊藤海斗1、高橋塁4、塩川大輔1)は2組で3分11秒91の7着、全体13位で決勝進出は遠かった。

 

2年連続で総合優勝の女子は、3種目で優勝した投てきでの大量得点(計56点)がものをいった。フィールド種目で77点、混成競技を含めれば92点と全得点の80.7%を占めたが、トラック競技では22点にとどまった。

 

100.5点を挙げて総合2位の日体大は、対照的にトラック種目で74点を稼ぎ、フィールドでは18.5点(他に混成8点)。どちらかのチームが弱点を補強すれば相手を圧倒することができるアンバランスな得点構成になっている。

 

男子は35点(4位)がフィールド種目で、トラック得点は19.5点(10位)。日本インカレでの立て直しを期待したい。特に、両リレーが決勝に残れなかった短距離陣の奮起を求めたい。エース山下が抜ける来季以降、新たなスプリンターの出現が望まれる。

トロフィーと花束を掲げる主将の山下潤

 

総合優勝した女子

 

筑波大学陸上競技部出場選手結果一覧

第98回関東インカレリザルト(PDF)

(▲PDFのダウンロードには会員PWが必要です。)

決勝一覧表

(▲PDFの結果がダウンロードできます。会員以外も可)