2020箱根駅伝復路リポート

26年ぶり筑波の箱根は総合20位 スピード駅伝の波に翻弄され苦闘

26年ぶりに出場を果たした筑波大学の箱根駅伝は、往路19位、復路20位、総合20位の11時間16分13秒でした。参加20チーム中20位。残念な成績でしたが、そもそも四半世紀ぶりに出場して「シード権獲得」なんて、さすがにちょっとおこがましい。妥当な結果だったかもしれません。

選手たちが弱いわけではない。近年の箱根駅伝はレベルアップが目覚ましく、筑波の今回の記録は2013年に11時間13分36秒で優勝した日体大の記録からわずか2分37秒遅いだけ。11時間18分20秒で2位だった東洋大を軽く上回っています。

10区間中7区間、延べ13人が区間記録を更新した「超スピード駅伝」の波に翻弄されましたが、初代優勝チーム(東京高等師範学校)の後輩たちは100年目の箱根で立派に走り切りました。沿道の観客、テレビ観戦した日本中の駅伝ファン、筑波OB・OGへも強い印象を残し、2日間を十分に楽しませてくれました。ありがとう。

6区・岩佐一楽から7区・杉山魁声へのタスキリレー(西平桂太郎撮影)

6区(箱根~小田原:20.8km)の山下りは、トップ青山学院に10分以上遅れた8校が繰り上げで8時10分にスタート。1時間1分10秒で区間20位と苦戦した岩佐一楽(1年:千葉・東邦大東邦)は、小田原中継所前で側道を左へ入るところを間違って直進。誘導係が両手を広げて止め、気付いた岩佐がUターンして中継所にたどり着きました。10秒くらいのロスがあったかもしれません。

小田原中継所でコースを間違えた岩佐一楽(西平桂太郎撮影)

「走る前、多くの人から楽しんでこいとメッセージをもらったが、勝負事で本気で楽しむにはそれなりの強さが必要と分かった。楽しめるように力を付けて戻ってきたい」とコメントしました。

高速で下ってきた平地は「上っている感じがする」と言われる6区。疲労困憊で到着する走者には早めに大きな動作で側道入りを指示してやってほしい。

”独走”となった7区で力走する杉山魁声(西平桂太郎撮影)

7区(小田原~平塚:21.3km)の杉山魁声(2年:千葉・専大松戸)も区間20位(1時間5分38秒)で前との差は広がり、「独走」」を強いられました。それでも、2カ所の筑波応援ポイントで勇気づけられたそうで「2カ所ともウルウルして、レース中に泣きだしてしまいました。つらくてつらくてというレースでしたが、楽しめた21.3kmでした。来年はもっと楽しめるよう、力を付けてまた戻ってきたい」と声援に感謝していました。

8区(平塚~戸塚:21.4km)の伊藤太貴(2年:愛知・岡崎北)は1時間8分22秒で区間順位は20位。「思っていた以上に厳しさを感じたが、沿道の声援は凄かった。チームとしても個人としてもこの悔しさを来年に生かせるよう頑張りたい」とコメント。

苦戦した8区の伊藤太貴(西平桂太郎撮影)

9区(戸塚~鶴見:23.1km)の川瀬宙夢(医学群5年:愛知・刈谷)は最上級生の意地を見せて区間14位(1時間11分05秒)で追い上げ。「クラウドでの支援や、応援していただいたことに感謝します。単独の20km走は難しいし、駅伝は流れがあり簡単ではない。目標の10位には届かなかったが区間14位。後輩たちには“お前らそんな位置じゃないだろ”と言いたい。来年もう一度勝負するために戻ってきてほしい」とげきを飛ばしました。

9区で区間14位と踏ん張った川瀬宙夢(西平桂太郎撮影)

川瀬の力走はありましたが、トップ青学との差が20分を超えたため、10区(鶴見~大手町23.0km)へタスキをつなげなかったのは残念。筑波カラー黄色の繰り上げタスキを肩に日体大、日大とともにスタートした児玉朋大(3年:熊本・千原台)は1時間12分05秒で区間16位でした。「目前でタスキが途絶えたが、(繰り上げのタスキには)みんなの思いがつながっていると思って走った。中学から競ってきた大土手からも“タスキは途絶えたが、来年につなげるタスキになる”と声を掛けられた。安定感のある自分の走りができた)と四半世紀ぶりにフィニッシュした喜びをこう表現しました。

力走するアンカー児玉(西平桂太郎撮影)

往路のメンバーたちのコメントを添えて26年ぶりの箱根リポートとします。

1区(大手町~鶴見:21.3km)⑪1時間02分46秒 西研人(3年:京都・山城))「もうちょっと上のレベルでないと、見る方も走る方も楽しくない。力を付けてまた戻ってきたい」

2区(鶴見~戸塚:23.1km)⑲1時間09分24秒 金丸逸樹(4年:長崎諫早)「1区の西の激走、勇気にはびっくりさせられた。自分としては最低限の走りができたかなと思う。3年生がしっかりチーム改革に取り組んでくれたことに感謝している」

3区(戸塚~平塚:21.4km)⑯1時間4分33秒 猿橋拓己(理工学群3年:神奈川・桐光学園)「憧れの箱根を走れる喜びを感じながら走った。掲げていた目標には届かなかったが、もう一度チャンスがあるので、力を付けて戻ってきたい」

4区(平塚~小田原:20.9km)⑲1時間05分33秒 大土手嵩(3年:宮崎・小林)「区間19位、4チームに抜かれて流れを切ってしまい申し訳ないです。箱根は出場が目標だったが、勝負してみて力の差を見せ付けられ、箱根は甘くないんだということを思い知らされた。このままでは終われないので、チームと一緒に成長して来年はリベンジしたい」

5区(小田原~芦ノ湖:20.8km)⑲1時間15分37秒 相馬崇史(3年:長野・佐久長聖)「レース前に脚の不安があったが、箱根の山に厳しい現実を突きつけられ、上位との力の差を見せ付けられた。完全に流れを切ってしまった私の責任です。箱根は思い出づくりに来ているわけではありません。強豪チームの1人1人に勝ってやるという気持ちで取り組み、来年は良い結果を報告したい」

弘山勉監督は「若者は凄いなと思います。夏前のチーム改革のころには予選突破まではとても見通せなかったが、3カ月くらいで行っちゃう。そんな可能性を持つ若者を預かっているということを改めて思います。次は川瀬と金丸が抜けるだけ。登録されて出場できなかった6人、故障して走れなかった者、それ以外の23人もいるので、来年に期待していただきたい」と総括しました。