OB・OGが相次いで出版

2026年はOB・OGの出版が相次ぎました。著者4人中3人は後期高齢者。出版順にご紹介しますので、是非ご一読を。

陸上競技エッセー『たすき』  有吉正博さん

1月に「陸上競技エッセー『たすき』」(不昧堂出版1760円)を出したのは有吉正博さん(1970年卒)。4年連続で箱根駅伝に出場し、関東学連会長を務めた有吉さんの「ランニングと人とのつながり」を綴ったエッセーです。ホノルル・マラソンとの長い関りや、ボウルダーでのフランク・ショーター氏との交流など濃密なランニング人生をコンパクトにまとめています。

ジュニアアスリート育成のヒント 尾縣貢さん

日本陸連会長、東京世界陸上財団会長の重責を果たした尾縣貢さん(82年卒)が、移住先の熱海で英気を養っている間に執筆し、5月に出したのが「ジュニアアスリート育成のヒント」(大修館書店2200円)。競技を超えた一線級との交流で広い知見の幅をさらに深め、それを踏まえトレーニングのポイントを体系的にまとめ、きめ細かな指導の心構えを添えた。最終章の100H寺田明日香さんとの対談では、素晴らしいロールモデルの寺田さんから「子どもたちの好奇心を大事にしながら、後ろから支えるかかわり方が大事に」という著者の主張と響き合うコメントを引き出した。

人見絹枝 奮闘と日本近代女子陸上 岡野進さん

岡野進明海大名誉教授(70年卒)の「人見絹枝 奮闘と日本近代女子陸上」(創文企画2420円)は人見の波乱の人生を丹念に追い、その後の日本女子陸上界の動きを描いた労作。日本女子体育大学付属図書館所蔵の資料を読み込み、彗星のように輝いて消えた稀代のアスリートを活写している。本書の特色は、一流の競技者だった著者の視点が随所にのぞくこと。練習のウォーミングアップ、助走路がボコボコで踏切板がなかったこと、谷三三五コーチとのやり取りまで記載。巻末の年表も充実している。コンパクトなサイズながら読み応え十分な人見絹枝ストーリーだ。

陸上競技 名場面・名勝負 64東京から25東京 船原勝英さん

元共同通信記者の船原勝英さん(74年卒)は、月刊陸上競技で連載したシリーズにコラムを加筆して「陸上競技 名場面・名勝負 64東京から25東京」(創文企画1760円)を7月に出版。64年東京五輪アベベの栄光と悲運、アン・パッカーと辛金丹との明暗など、名選手にもあったさまざまな挫折とそれを乗り越えた努力の跡を30話に仕上げた。あのアベベが朝鮮戦争に従軍していたという知られざるエピソードや、陸上競技の奥深さが散りばめられた一冊。