大阪体大で開かれたやり投げ競技会のリポート
大体大でやり投げに特化した競技会開催
栗山前会長の発案を具現化した OHHS Javelin Throw Festival
国内でも稀なやり投げに特化した競技会が開学60周年を迎えた大阪体育大学で開催されました。発案者は同大名誉教授で筑波大学陸上競技部OB・OG会の栗山佳也前会長。実施の中心人物は、栗山前会長の愛弟子で、同大スポーツ科学部講師、同大陸上部の中西啄真投てき監督です。同監督にリポートをもとに、植木章三同大副学長(1984年卒)が加筆・修正してまとめてもらいました。
開催日:2025年10月12日(日)
執筆:中西 啄真(大阪体育大学スポーツ科学部講師・陸上競技部投擲監督)
植木 章三(大阪体育大学副学長:筑波大学体育学群1984年卒)
大阪体育大学は1965年の開学から60周年を迎えました。この節目の年に、新たな試みとして、やり投げに特化した国内でも稀な大会「第1回 OHHS Javelin Throw Festival」を開催しました。この大会は、筑波大学陸上競技部1期生であり、前OB・OG会会長の栗山佳也先生(大阪体育大学名誉教授)が発案し、開催を熱望されていたものを教え子である中西啄真(大阪体育大学スポーツ科学部講師)が具現化したものです。大会を開催するにあたり、中西と投擲部員代表10名が実行委員会を組織し約1年をかけて企画・準備を進めてきました。
本大会は、世界陸上競技連盟(World Athletics)が認定するWRk(ワールドランキングコンペティション)対象競技会として実施され、日本選手権や日本インカレで活躍する国内トップ選手が多数出場しました。また、高校生の部に出場した次世代を担う若手やり投選手らは、一般の部を観戦し、日本トップレベルの選手の表情や息づかい、投擲パフォーマンスを間近に体感できる貴重な経験を得る機会となりました。さらに、本大会では日本選手権などのような参加標準記録を設けず、高校・大学・社会人・マスターズの幅広い層の選手が交流し合う場としても盛り上がりました。
大会は午前10時に開幕。高校女子では鈴木彩夏選手(大体大浪商高校)が49m57で初代女王に輝き、高校男子では髙野晃輔選手(桜宮高校)が57m60で優勝しました。午後の一般女子では篠田佳奈選手(京都大学、日本選手権5位)が55m12で、一般男子では須藤勇大選手(大阪体育大学、日本インカレ7位)が70m48でそれぞれ初代王者となりました。
また、競技の合間に行われたセレモニーでは、川島空さん(体育学部3年、日本インカレ女子ハンマー投6位)が大会開催の経緯と参加者への感謝を述べました。さらに、大会応援ゲストとして本学OGで女子やり投元日本代表の宮下梨沙氏をお招きし、世界陸上での経験談や学生時代の思い出を語っていただき、最後に出場選手たちへ温かい激励の言葉をいただきました。
加えて、入賞した選手たちには大阪体育大学陸上競技部から大学ロゴと大会名が刻まれたオリジナルトロフィーと賞状が贈られ、協賛企業からも素敵な賞品が提供されました。参加選手の多くが笑顔で競技を終え、大会を存分に楽しんでいただけた様子でした。当日は栗山先生も来場し感慨深げに大会を観戦しておられました。来年以降も継続して開催しますので、より多くのやり投選手が参加することを期待しています。
協賛企業一覧
- 株式会社 ニシ・スポーツ 様
- 株式会社 エイチ・アイ・エス 様
- ミズノ 株式会社 様
- 味の素株式会社 アミノバイタル 様
- 株式会社 不動口館 様
大会の様子

一般男子やり投優勝の須藤勇大選手(大阪体育大学4年)




