第87回日本学生陸上競技対校選手権総括

初日

第87回日本学生陸上競技対校選手権は9月6日、川崎市の等々力陸上競技場で開幕し、筑波勢は女子円盤投げで辻川美乃利(大学院1年:大阪・生野高)が50m71で2位、半田水晶(3年:群馬・太田女高)が46m39で5位に入りました。アヒンバレ・ティナ(1年:兵庫・市立尼崎高)は42m35で19位。

女子円盤投2位の辻川美乃利(院1年:大阪・生野高)

 

同10000mは終盤まで先頭グループで競り合った上田雪菜(3年=山口・西京)が33分37秒34で3位。

女子10000m3位の上田雪菜(3年:山口・西京高)

 

棒高跳びは若園茜(4年:岐阜。県岐阜商高)が3m80で2位に入りました。八木田春菜(3年:静岡・清水東高)が3m40で17位。4年ぶりの総合優勝へ向けてまずは順調な滑り出しでした。

女子棒高跳2位の若園茜(4年・県岐阜商高)

 

男子は4×100mリレー予選(5組1着+3)で、筑波大は3組で第2走者の山下潤(3年:福島・福島高)が力走してトップ争いしながら第3走者の薬師寺亮(医学部4年:大阪・大手前高)へ。バトンはいったん薬師寺の手に収まったかに見えましたが、内側5レーンの法大と接触してバトンを落としてしまいました。法大は走路妨害で失格。筑波大はバトンを拾ってレースを続けましたが、45秒88で最下位の7位。バトンを渡し終わった無念の薬師寺は、トラックに突っ伏してしばらく起き上がれませんでした。走路妨害を受けたことで「救済」もあるのではとの期待もありましたが、残念な結果に終わりました。

 

2日目

第2日の7日は、男子1500mで才記壮人(大学院2年:富山高)が3分46分42秒で2位。ラスト1周で館澤亨次(3年:東海大)との激しく競り合い、最後のカーブから抜け出してトップに立ちましたが、残り10mほどでかわされて惜しくも優勝を逃しました。

男子1500m 才記壮人(大学院2年:富山高)

 

同走り高跳びは主将の平松祐司(4年:京都・西城陽高)が2m15で4位。2、3位と同記録ながら、2m05を2度失敗したのが響いて表彰台を逃しました。

棒高跳びの植松倫理(大学院2年・浜松北高)が5m20を跳んで6位入賞。内山朋也(2年:長野吉田高)が5m00で11位、管颯一郎(1年:広島・神辺旭高)は4m80で21位でした。

やり投げは池川博史((2年:兵庫・滝川第二高)が3投目の70m71を伸ばせず6位。

 

女子は砲丸投げの齋藤友里(3年:高知・大手門高)が14m99で4位、伊地知千奈(4年:宮崎・宮崎学園高)が14m43で6位に入賞。アヒンバレ・ティナ(1年:兵庫・市尼崎高)は13m37で13位でした。

走り幅跳びは関東インカレ2位の吉岡美玲(1年:石川・星陵高)が振るわず5m69(-1.2m)で18位、茂沙織(3年:長崎・長崎西高)は5m66(-0.5m)で19位でした。

七種競技はシェレスタまや(2年:大阪・敬愛高)が5,159点で4位に入り、橋本春菜(2年:茨城・水戸二高)4,770点で13位。

 

3日目

第3日の9月8日、女子で今大会初の優勝者が生まれました。女子三段跳びの剣持クリア(3年:山梨学院大付高)が追い風(+2.3m)参考記録ながら13m12をマーク。関東インカレ連覇の剣持は、姉の早紀が果たせなかった日本インカレで初優勝しました。山下桐子(とうこ、1年:福島・橘高)が12m66(-1.1m) で5位。その名も桐子の山下は、山下ファミリー(父は男子三段跳び日本記録保持者の訓史さん、兄はリオ五輪三段跳び代表の航平、ユニバーシアード代表の山下潤)の末娘です。

女子三段跳びで優勝した剣持クリア(3年:山梨学院大付高)

女子三段跳びで優勝した剣持クリア(3年:山梨学院大付高)

 

400mは松本奈菜子(4年:静岡・浜松市立高)が53秒52で2位。先頭でラストの直線に入りましたが、800mの予選から1時間あまり後というハンディもあり、広沢真愛(3年・日体大)に0秒25差で敗れました。

女子400m2位の松本奈菜子(4年・浜松市立高)

 

やり投げは桑添友花(2年:宮城・古川黎明高)が54m42で2位、兵藤秋穂(1年:古川黎明)が51m06で7位に入りました。後藤明日香(3年:茨城・土浦湖北高)は46m56で19位。

女子やり投2位の桑添友花(2年:宮城・古川黎明高)

 

女子5000m2位の上田雪菜(3年:山口・西京高)

 

4日目

最終日の9日、女子の対校得点争いで筑波大が103.5点 を獲得して4年ぶり25回目の優勝を果たしました。

男子はトラック種目で36点を稼いだ筑波大が計60点で3位に入りました。96.5点を挙げた日大が7年連続21度目の制覇。

4×400mの男子は筑波大が3分08分23秒で3位、女子は3分40秒29で4位でした。

 

女子はお家芸のハンマー投げで埼玉・進修館高コンビが1、2位を独占。江原宇宙(4年)が56m51で初優勝、関口清乃(3年)が56m19で続き、昨年の大会でそろって記録なしに終わった屈辱を晴らしました。

女子ハンマー投で1、2フィニッシュの埼玉・進修館高コンビ、江原宇宙(4年)と関口清乃(3年)

 

400mHは伊藤明子(大学院1年:東京・田園調布学園高)が58秒77で3位に入り、800mの松本奈菜子(4年:静岡・浜松市立高)は後半の伸びを欠いて2分09秒51で5位でした。

女子400mH3位の伊藤明子(院1年・田園調布学園高)

女子400mH3位の伊藤明子(院1年:田園調布学園高)

走り高跳びは寺谷諭美(4年:鳥取・倉吉東)1m70で6位、伊藤明子が1m65で16位でした。

 

強い向かい風(-4.0m)の中で行われた200mは山下潤(3年:福島・福島高)が20秒66の好記録で快勝。薬師寺亮(4年:大阪・大手前高)と齋藤勇真(2年:熊本・九州学院高)が21秒32の同タイムで5位を分け合いました。

男子200mで圧勝した山下潤(3年:福島高)

男子200m表彰式の山下潤(3年・福島高)

 

800mは薄田健太郎(2年:神奈川・希望ケ丘高)が1分54秒81で5位、登坂健志(院2年・群馬・前橋高)は1分55秒85で6位でした。

110mH(-1.1m)は石川周平(院1年:岩手・花巻北高)が13秒94で4位にとどまり、高橋佑輔(4年:北海道・札幌東高)は14秒12で7位。

三段跳びは村崎秀(4年:宮崎一高)が15m93(+5.0m)を跳んで5位。江崎伸(院1年:大阪・咲くやこの花高)は15m38(+0.3m)で12位。

 

女子4×400mリレーのレース後、左から薬師寺、佐々木、松本、伊藤

 

男子4×400mリレー第1走者の太田から山下へのバトンパス

 

男子4×400mリレーで3位に入った山下、井上、太田、齋藤(左から)

 

4年ぶりに優勝杯を奪還して喜びを爆発させる女子チーム

 

4年ぶりに優勝を果たしてメディアの撮影に応じる女子チーム

 

総合3位に入った男子チーム

 

表彰式後に円陣を組み宣揚歌を歌う女子チーム