全日本大学女子駅伝報告
監督 榎本 靖士
10月29日に仙台市において全日本大学女子駅伝が開催されました。関東大学女子駅伝では全日本の出場権を得られませんでしたが、5000m平均タイムによるアディショナル枠で3年連続27回目の出場となりました。10月になってからの強化は順調で、過去2年と比べると層も厚くなり、ペースも上がっていました。小松(体育・3年・唐津東)の故障が長びき、間に合わなかったことは大きな痛手でした。
当日は雨や風の心配がありましたが、思ったほど崩れずに、比較的駅伝日和と言えるコンディションでした。1区市川(2年・体育・筑紫女学院)が11位で順調に滑り出しました。今季は5000mのベスト記録も更新し、日本インカレ1500mで決勝に残った経験が活きました。7位あたりでラスト1kmとなり、かなり良い順位も期待できましたが、そこから失速しました。
全体的にも言えることですが、駅伝では距離以上の持久力が必要であることを痛感しました。2区は1年生の勝(すぐれ・体育・白梅学園)が出走。駅伝前の練習では1年生同士で競り合い、誰が走っても良いくらいの準備ができましたが、大舞台に慣れている勝が安定した練習で選手になりました。本番でも快走を期待しましたが、やはり駅伝のタフなレースに苦しみました。3区樫原は直前の故障の影響から直前まで出走できるかどうかで悩みましたが、最後は4年生の意地にかけました。痛みをこらえて何とか順位を押し上げ、区間8位の力走でした。4区は1年生の原田(体育・九産大附属)で、まずまずのペースで押して行けるもラストで失速。それでも11位で5区の本庄(M1・体育・大手前)に中継するも、襷リレーでロスが生じました。5秒ほどですが、流れを断ち切る大きなミスとなりました。その後、7kmあたりまでは良いペースで流れを取り戻しましたが、ラストの上り下りで失速し、区間19位で14位まで下がりました。勝負はアンカーで駅伝主将の澤井(4年・体育・石川星稜)に託すことに。練習ではいつも強い走りをしますが、レースでは不安定で、その不安定な走りが出て、2kmほどで失速。18位まで順位を落としてゴールとなりました。
駅伝に3年連続で出場できましたが、駅伝への取り組みの甘さを痛感しています。1つは、インカレの2週間後に関東の駅伝がおこなわれることで、トラックとロードの両方を同時に準備しなければいけない難しさがあります。これは選手層が厚くなることで、トラック重視とロード重視の選手がいればある程度対応できるように感じています。もう1つはスピードよりも持久力を重視した取り組みが必要であること、それを学生が理解して取り組むことが必須だと思っています。春シーズンはスピードを重視しつつ、夏の強化期を通して持久力重視のトレーニングに移行すべきです。来年に向けて、選手にも責任感と危機感を持ってもらって、駅伝での成果を目指したいと思います。ご支援とご声援をありがとうございました。